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zoom RSS 徒然に・・・ 天牛書店やら 佐藤春夫やら 中上健次や 映画の事など

<<   作成日時 : 2009/11/24 10:43   >>

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11月も後半に入り 晩秋ですか・・・さびしい季節ですね 12月に入れば それなりに賑やかになるのですが・・・


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                          芥川上流の紅葉

上方では 紅葉が今が盛りです 皆さんの地方ではどうでしょうか  葉が落ちる前に 紅葉するのか そのメカニズムはわかっていても じゃあ 何のための紅葉なのか本当の訳はわかっておりません 花といい 果といい 紅葉と・・ 草木自身は見ることが出来ないのに・・・人間は 詩が生まれ 画が描かれる それら自然の恩恵と人間の進化に十分に感謝しなければなりませんね




世に活字中毒という言葉がありますが 私も活字(印刷された文字 ここでは書籍に限らず なにもかも)には 特別な嗜好があります トイレに入るときも 風呂に入るときも 何か印刷物(読み物)を持ち込んでいます 活字が・つまり 読み物がなければ 禁断症状・・汗が出て 幻覚を見て 暴れるというような つまり中毒症状はありませんが 重度の活字依存症であることは間違いない


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          活字依存症者にとっては 阿片窟のような場所?  天牛書店本店


ということで!? 久しぶりに 天牛書店へ  天牛は創業から102年の有名な古書店です 以前は 今だと信じられませんが ミナミのアメリカ村のど真ん中にありました 私などは 仕事に託けて 御津八幡の前にあったIBMのビルに車を止めて よく通いましたね 20年くらい前の話ですが・・・・現在は吹田市江坂町に移転しています 近くに 私の好きな作家高村薫さんの自宅もあります


話を先に進めたいので 天牛書店で過ごした数時間は省略します ここで 文庫本を2冊買いました 店の前に置いてあるワゴンセールの 一冊50円均一のやつです 


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佐藤春夫の「わんぱく時代(新潮文庫)」です 佐藤春夫といえば 「秋刀魚の歌」などで有名な詩人ですが 小説もいくつか書いています 

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                     佐藤春夫(1892〜1964)       

「わんぱく時代」は 佐藤春夫の子供時代の自伝的小説です 春夫は和歌山県新宮市に生まれ そこで少年時代を過ごしました もちろん 明治時代の子供たちの姿が描かれています 多少 主人公(春夫少年)は賢いいい子になっていますが ほんとにそうだったのかも知れません 後に谷崎潤一郎の奥さんに懸想して 譲り受けるなんて 想像も出来ません

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               野ゆき山ゆき海べゆき 1986 ATG モノクロ版


「わんぱく時代」は 大林宣彦が映画化しています 原作とはかなり違って 舞台も和歌山ではなく 尾道で 時代も明治ではなく 昭和です  
原作は 戦後になって 大逆事件も批判的に書ける時代になってから書かれていますので 子供たちの戦争ごっこの後に語られるのは 大逆事件で刑死した知人の大石誠之助のことなどです
映画の方は もちろん戦争そのものが深くかかわってきています  原作では 初恋?となる 年上の少女 お昌ちゃんは幸せな一生を送ることになりますが 映画のほうは 大変なことになってしまいます  
映画の題「野ゆき山ゆき海べゆき」は 原作の中にある 一編の詩「少年の日」から


          少年の日

     野ゆき山ゆき海辺ゆき 真ひるの丘べ花を敷き
     つぶら瞳の君ゆゑに うれひは青し空よりも

     影おほき林をたどり 夢ふかきみ瞳を恋ひ
     あたたかき真昼の丘べ 花を敷き、あはれ若き日

     君が瞳はつぶらにて 君が心は知りがたし
     君をはなれて唯ひとり 月夜の海に石を投ぐ

     君は夜な夜な毛糸編む  銀の編み棒に編む糸は
     かぐろなる糸あかき糸  そのラムプ敷き誰(た)がものぞ


もちろん 「つぶら瞳の君」は お昌ちゃんであることはいうまでもない





さて ここで 和歌山県新宮市出身の文学者といえば・・・・・ そう 中上健次ですね 


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                   中上健次(1946〜1994)

中上健次は 佐藤春夫と同じ新宮高校(春夫は旧制中学)に通っていますが 佐藤春夫から影響を受けたとは聞きません むしろ 谷崎から影響を受けたと本人は語っていますね 
新宮の被差別部落に生まれ 土地と身内と己が自身の運命のぬぐいきれない三位一体となった 紀州を舞台にしたパワー溢れる小説は 中上健次だけしか書けないものでした 春夫の「わんぱく時代」の中にも 学校で新宮の地図を作る話があり そこに 少し 被差別部落のことが出てくるが 本来 医師と武士の家系に生まれた 春夫には 貧困や一族の問題とは無縁だった 

中上健次は 紀州を 「木の国 根の国」と表現した 想像したまえ 山また山の木の国紀州 奥深く 果無しの森・・しかし 地上に出ている森の何倍もの密度で地下に広がる根・・・紀州には あれだけの森があるのだ だとしたら その地下の根は一体どれくらいあるのか・・・・・

「岬」「枯木灘」「千年の愉楽」「地の果て至上の時」は活字依存症者には必読(毒)書です

中上健次は根っこを見ていたのでしょうか 想像したら 私などは シュールになって 眠れなくなります




さて もうひとつ 紀州つながりで 映画の話

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               幸福のスイッチ  2006  東京テアトル

新宮市ではなく お隣の田辺市の「イナデン」という名前の電器店でのお話  上野樹里(1986〜)が主役? この女優は「亀は意外と速く泳ぐ 2005 WiLCO」あたりから注目してました 可愛いのか 性格悪いのかよくわからない役をやらせるといいですね それと 沢田研二(1948〜)「大阪物語 1999 東京テアトル 」のような 関西風しょーがない男をやらせるといいですね この映画でもいい味だしています 今は舞台のほうでも頑張っているようです 私は 沢田研二に 必殺シリーズの中村主水のような役をやってもらいたいのですが・・・時代劇はだめですか・・



次回は 天牛書店で買った もうひとつの文庫本から 話を展開していきます  

                                                 つづく


当ブログでは 私はぐたぐたと内容を詳しく書きません みなさんの 興味を持ったら 調べてみよう 読んでみよう 観てみようという ヒントになればと思っています

                                                       

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
中上健二 という名前に突き当たったので、すごく興味持ちました。
 岬 枯れ木灘 など強烈な印象でしたね。愛読書というには余りにも強烈な印象過ぎて、軽々しく愛読書などとぼく自身言いたくないような気がします。
 
 そして、彼が世に出た当時、大江健三郎と同義だと悪意をもって言われたことなど最近のように思い出します。
徒然なる男
2009/11/24 14:47
徒然なる男さん コメントありがとうごさいます 誤解を恐れずに申しますと 大江健三郎と中上健次の文学上の共通な部分というのは 「個人文学」ということです ここでいう「個人」とは 「個」としての「人」と言う意味で特定の「誰か」を指す「者 モノ」とはかぎりません 「個人」とのかかわりにおいて大江は 四国の村から「魂の救済」を書き 中上は 紀州の町から「柵の破壊」を書いた 同義という点では 根っこは同じでも 咲いた花はまったく別物といえるでしょう 惜しいかな 中上健次は若くして亡くなっているので その後 どのような作家になっていったかわかりませんが 私的には 十分 ノーベル賞を貰ってもいいと思います
なぎさの民俗学者
2009/11/25 17:20
いや〜早くもおせち料理の様な、盛り沢山の話題に、クラクラです!
まずは、大林宣彦の映画について、当該映画は未見ですが、初期の頃の作品が、好きです!コマ送りのような手法とか、砂糖菓子のようなストーリー展開とか、かなりくせの有る作品が多いかと思います。きっかけは、70年代はじめ、自主映画のシネマテークが、盛んだった頃に、「伝説の午後 いつか見たドラキュラ」という短編を観た事!もうコマ送りやってましたよ!その後、「HOUSE」「漂流教室」「ふたり」とこの辺が、お気に入りです♪日常に潜むちょっとした闇の部分をさらりと見せるのが、いいですね!最近監督は好々爺になって来ましたが、まあ、それはそれで良いと思います。
sasapanda
2009/11/27 01:30
大林宣彦は 商業映画でデビューする以前に 自主映画の世界では 有名な人だったらしいですね 昔「オールナイトニッポン」のラジオドラマ「HOUSE」を映画化するというので どんなヤツ・・・失礼・・・と思ったことがあります 「異人たちの夏」と「ふたり」が私のお気に入りです よい意味でも悪い意味でも大林作品だと思います
なぎさの民俗学者
2009/11/27 15:04

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