なぎさ

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zoom RSS 続 徒然に・・・   柏原兵二やら  山びこ教室やら 映画のことなど

<<   作成日時 : 2009/12/01 11:28   >>

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こんな 理不尽なことが あっていいものか・・・この事態を どう自分なり 納めていけばいいのやら・・・・

事の始まりは 先日 京都在住の親戚の方を 正倉院展に連れていったのですが・・・ その時のお礼にと なんと 私の大好きな(家人も大好きで よく2人で宇治まで車を飛ばしました) あの宇治の伊藤久右衛門のお菓子をお土産に持ってきてくれていたのです ところが 私が家に帰って来たときには すでに 家人と子供たちの飽食の後で・・・・・

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ただ この「限定キットカット伊藤久右衛門」一個だけが 残されていました・・・・えっ ロールケーキにチーズケーキは???

私は今 静かに おとなとして持って行き場のない怒りを沈め キットカット伊藤久右衛門を自棄食いしながら これを書いています・・・






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安威川の冬鴨たち 水の中が冷たい?のか 対岸のコンクリートブロックにへばりついているやつがいますね


安威川の鴨たちも少し前までは 子鴨と親鴨の区別がついたのですが いまでは どれが子でどれが親だかわかりません しかも 何組かのファミリーが混ざっているようです   鴨を含めて 動物(もちろん人間も)の生態にはあまり詳しくはないのでわかりませんが この季節 渡り鴨の姿をよく見かけます・・ 普段はどこにいるのでしょうか・・
北海道? シベリア?





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先だって 京街道枚方宿の旧旅籠鍵屋の前を通ると 見事な菊が 飾ってありました


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しかも 鍵屋内の土間には 菊人形が・・


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枚方パークで菊人形が見れなくなって 久しいですが こんなところで 再会するとは・・ 「あなたは 確か・・あの時に生き別れた・・お菊さん・・・じゃないのかい・・・」 





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で・・京街道を歩いて 家に帰る道すがら 埋設工事に出会いました 何やら 悪戦苦闘していたので よく見ると 松の根っこが埋まっていました 「ここは 昔の街道で このあたりは松並木があった・・ 昭和の初め頃に松の根っこを掘り起こさずに 道路を整地したのだろう まだまだ このあたりに根っこが埋まっているよ」と 私の話に 工事の方は 真剣に弱っていました ごくろうさまです・・・





さて 本題に入ります・・といっても たいした題などありませんが 前回の続きです

天牛書店で買った もうひとつの古本 ワゴンセール一冊 50円也から 話を始めます


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柏原兵三の「長い道」 中公文庫 絶版 です  柏原兵三は 「徳山道助の帰郷」で第58回芥川賞を受賞している作家です 


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                   柏原兵三(1933〜1972)


柏原兵三は千葉県生まれ 昭和19年 疎開のために一人 親戚のいる富山県新川郡入善町に縁故疎開(集団疎開ではない)します そこでの生活を描いた これも自伝作品で 題名の「長い道」とは 家から学校までの長い一本道のこと
主人公潔(兵三少年)は クラスの優等生進と友達になるが これが 2面性を持った独裁者 同じ優等生の潔に複雑な感情を持ちながらも 権力を振るう 色々あって やがて やりすぎの進は 子分たちから反撃されて失脚してしまい クラスは新しい 権力闘争に巻き込まれる それは 進の独裁時代よりもひどい状態だった・・・こう書くとなにやらすごい内容の本じゃないかとおもわれますが 柏原兵三が 体験した戦時下の学校生活であり 当時 都会から疎開してきた 子供は同じような・・・いじめや仲間はずれのような・・体験(集団疎開では体験出来ないだろうが)をしたのではないだろうか  まあ ゴールディングの「蝿の王」の子供たちほど過激じゃないけど 


最初に読んだのは 中学時代に学校の図書館で借りてですが 主人公のあまりにもヘたれ加減に途中で読むをやめました その後 この原作をもとにした 藤子不二雄A(1934〜)の漫画「少年時代」と この漫画版「少年時代」をもとにした映画も観ましたが 今回 何十年ぶりに最後まで読み通してみて 原作は面白いと思いました  主人公のへたれ加減は相変わらずですが・・・・ 



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                      少年時代 1990 東宝

「長い道」とは 多少 内容が違いますが これも なかなかの名作です 原作者の藤子不二雄Aは富山県出身で柏原兵三と同年代です  同じ富山ということで 自分の少年時代と重ね合わせて漫画を描いたのかもしれませんね そういえば 長年の相棒だった 藤子・F・不二雄(1933〜1996)は 少年時代はのび太ばりのいじめられっ子だったらしい そういうのも モデルの一部になっているのでしょう





で 戦前 戦中の学校教育・・・・もちろん 軍国 皇国教育が一般的でしたが ここは 無理にでも 戦前の「生活綴方運動」を取り上げます なぜか・・・ 


生活綴方運動・・・綴方 つまり 作文のことですが 子供たちが 自分自身の生活や そのなかで見たり 聞いたり 感じたり 考えたりしたことを 事実に即して具体的に自分自身の言葉で作文するための指導や活動のことだけれど これは 国が指導しているわけでなく あくまでも 民間レベルでのことなので その指導や活動のあり方について 見解が異なる場合がある 

1937年にこの生活綴方運動の中で 指導を受けた東京の小学生だった豊田正子が書いた 綴方のいくつかが「綴方教室」という本に掲載されて 話題を呼びました

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                      豊田正子(1922〜2011)



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                      綴方教室  1938 東宝

そして 1938年には 高峰秀子(1924〜2010)主演で映画化されました・・・この映画 昔 TVで観たことがありました・・・で 無理やり「生活綴方運動」を取り上げたのは・・・・単に この映画の高峰秀子が 無茶苦茶可愛かったということなんですが・・・すみません 私の好みで この映画までひっぱってきました



ついでに・・・ 戦後の綴方運動の影響というか なんというか もっとも有名なのは 無着成恭(1927〜)の「やまびこ学校」1951年刊行 山形県山元村の中学校で無着成恭の受け持った学級の作文集「きかんしゃ」をまとめて 出版したものです このあたりの 事情やその後などは 佐野眞一「遠い「山びこ」─無着成恭と教え子たちの四十年」新潮文庫 あたりを読んでいただくとして もちろん 「山びこ学校」 岩波文庫も読んでね 


映画のほうは

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                          山びこ学校   1952 八木プロ

実際のことを ほぼ同時代に映画化しているので 内容的には 遊びがなく 硬い感じがするのはしかたがない 当時の 寒村の貧窮生活の描き方はリアリティがあったので 後に 佐野眞一の本を読んだ時に 思い出してイメージが膨らんだが 木村功(1923〜1981)と無着成恭とは どうも イメージが合わなかったが・・・・



あと 忘れてはいけないのが 地元 枚方を舞台にした「つづり方兄妹」です  戦後 枚方の旧陸軍香里製造所跡のバラック小屋に住む 貧しい 両親と6人の子供たちの8人家族 その中で 作文のうまい 丹治・洋子・房雄三兄妹(長男・長女・次男)を中心とした実話です  
1952年に朝鮮戦争の特需で火薬製造会社が 再び旧香里製造所跡を火薬製造所にしょうと払い下げを申請した これに対して住民は 反対運動を起こし 国に陳情を重ねてついに火薬製造所再開を断念させたが  製造所跡は香里団地に再開発されていく この時のことを 当時小学校2年生の房雄(1948〜1957)が 作文に書いたものが モスクワ国際児童つづり方コンクールで一等賞になった しかし 一等賞になった知らせと賞品がとどいたとき 房雄は 病気で 貧しく満足に医者に診て貰えず すでに亡くなっていた


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                       つづり方兄妹  1958 東宝


これも 1958年に映画化されています  後に私も小学生のころに 学校で映画鑑賞か何かで観たような・・・ 改めて 今観ると こんな時代が 現実にあったのだということを 教えるためにも 今どきのガキども・・・失礼・・・就学児童たちに観てもらいたいですね  最近 亡くなられた 枚方出身の森繁久弥(1913〜2009)も 親方役で出ています

  
                             ぼくらの学校
                                               野上 房雄

大阪の野っぱらは、とても、ひろいひろっぱです。そのひろっぱに、おへそのように、ぽこりとふくれた小丘があります。この小さな丘のまん中が、また、おへそのまん中のように、ペコリとへっこんでいます。このへこんだところに、せのひくいほそながいかわらやねが四つと、せの高い、四かくい、そしてまっがにさびた、トタンやねが、一つとあります。
ここは、もと、たくさんな、へいたいさんが、すんでいました。それが、せんそうもすんで、ぼくたちの学校になったのです。
けれども、やっぱり、秋が、来たら、きいろいとらのおの花がいっぱいにさきます。その時は、ほんとうに、かやくのにおいがにおってくるような気がします。でも、ぼくたちは、その花をおって、おかの上のおじぞうさんに、そなえるのです。
そして、「おじぞうさん、もう、せんそうがおこらないようにまもってね」といっていのります。
 その時、おじぞうさんは、とっても、かわいい顔をして、ニコニコ笑っていらっしゃいます。そして、「そうね、あなたたちみんないいこなんだもの、もうめったに、せんそうなんかおこらないわ。みんなあんしんして、いっしょうけんめい、べんきょうしてね。」といってらっしゃるようです。
それなのに、ぼくたちは、げんしばくだんの、おっかないお話ばかり聴くようになって来ました。おまけに学校のとなりの森の中に、かやくを作る工場ができるというおはなしが、きまりました。みんな、ほんとうに、びっくりしました。そして、「かやくはんたい」と書いた紙のはたをふってあるきました。
おかあさんや、先生方は、えんぜつかいをひらいたり、東京のだいじんさまに「そんなことやめてください」といっておねがいに行ったりしました。
そして、とうとう、かやくこうじょうは、作らないことにしていただきました。そして、しばらくあん心してべんきょうしていました。
ところが、また、このごろそうりだいじんから、「お家をたてるから、学校は、どっかへ、ひっこしてください」といって来ました。ぼくらは、このお話を兄ちゃんからきいて、ほんとうにびっくりしました。五百人も子供がいます。そんなたくさんの子どもらの行くところってあるでしょうか。
この丘の町は、たいへんとちがせまくて、大かた、山のてっぺんか、坂になっています。小さなお家ならたちますけれども、大きな学校なんかたてるひろっぱは、どこにもありません。
ほんとうにこまったことになりました。このごろ「おじぞうさん、どうかぼくたちの学校がひっこししないように、おたすけください」といって、いのっています。


                                              


                                                   おわり


当ブログでは 私はぐたぐたと内容を詳しく書きません みなさんの 興味を持ったら 調べてみよう 読んでみよう 観てみようという ヒントになればと思っています



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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
高峰秀子は、可愛いじゃないですか。 豊田正子も可愛い!。
大神太郎
2009/12/03 11:59
本題では、映画「少年時代」のエンドテーマが、井上陽水の同名曲だという位しか食いつけなくて…
それより街道沿いで工事の人達に道の来し方を、説明しているなぎささんの姿を想像すると可笑しいです♪
結果!目は「伊藤久右衛門」の赤い文字へ…クリックして初めての方限定というのを注文!美味しそうなんですもの
sasapanda
2009/12/03 23:29
高峰秀子と豊田正子は この映画が縁で親交を結びますが 豊田は貧しい女工 高峰は 今をときめく天才子役女優 本人たちの思惑とは違って いいかげんなゴシップ記事が書かれたりして 2人の中は疎遠になっていきます(そこにはいろいろドラマがあるのですが・・・) その後 豊田は プロレタリア活動をしたりして作家になり 高峰は 「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾歳月」「名もなく貧しく美しく」などの日本映画を代表する名作に出ました 

sasapandaさん 記事に食いつけなくて 「伊藤久右衛門」に食いつきましたね 伊藤〜は 宇治橋から 少し離れた場所にあって 「知る人ぞ知る」お店です 抹茶関連のお菓子好きの人には 聖地といってもいいでしょう   で「お試しセット」を選びましたね・・・ お試しだけでは終わりませんよ チーズケーキにプリン 茶だんごと 食べたくなりますよ・・・ 
なぎさの民俗学者
2009/12/04 15:18
こんばんは。
お菓子、sasapandaさんがおっしゃるように、本当においしそう!娘と一緒にサイトを見ていたら結局マカロンやらティラミスまでも注文する羽目に(笑)あとでダイエット?
正倉院展いかがでした? 今年はなぎささんの記事が出るかな?と楽しみにしていたのですが...去年はなかったので.....
お菊さんきれいですね。枚方の菊人形がなくなったとは。とても残念です。あんなにすばらしかったのに。川に鳥がいると心が和みますね。神田川もサギ・カモが戻っています。全国的に水質がよくなったのかも。嬉しいです。 
「少年時代」の元々の話が柏原兵三さんだとは知りませんでした。そもそも柏原さんの作品を読んだことがありません(恥)「長い道」面白そうですね。読もうと思います。映画は列車を追いかけるシーンがとても印象に残っています。
ゴールディングの「蝿の王」、ああ悪夢が・・・実はこの作品、学生時代クラスで課題だったのですが、読解力のなさでレポートはお情けの C でした(恥)

ご本やお菓子のご紹介、ありがとうございます。いつも情報満載で勉強になります。 それからスター・トレックを見ました。CGがすばらしくワープ中に転送するのが面白かったです。
☆サファイア
2009/12/04 20:53
あれあれ・・・サファイアさんまで 伊藤久右衛門に食いつきましたか・・・ いゃあ〜ご婦人方に罪なことをしました 正倉院展は行ったのですが 記事を書くのに かなりのエネルギー?を使うので 今回も勝手ながら パスさせていただきました それと・・あの菊人形・・私が適当に名前をつけたので「お菊」さんかどうかわかりません・・・  スター・トレックの未来のスポック役のレナード・ニモイは老けましたね ザカリー・クイントは マイケル張りの付け鼻 付け耳をして 若きレナード・ニモイにそっくりになっていました  
なぎさの民俗学者
2009/12/06 14:12

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