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zoom RSS 国立国際美術館に「バベルの塔」展を観に行く

<<   作成日時 : 2017/09/27 21:33   >>

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少し いや少しどころか かなりご無沙汰しているうちに 世間は変遷しておりますな みなさんはどうお過ごしでしょうか ということで

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     ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀 ネーデルラントの至宝 ボスを超えて
                                        国立国際美術館  7月18日〜 10月15日                               

中之島の国立国際美術館に ブリューゲルのバベルの塔を観にいきました 国立国際美術館へは クレオパトラとエジプトの王妃展以来ですね

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                      京阪渡辺橋駅の長い階段を上り地上へ

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家を出る時 雲行きが怪しかったのですが 中之島は本格的な雨になっております 私はイレーヌ以来 国立国際美術館へ行く時は雨模様というイメージが刷り込まれております(笑)

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              国立国際美術館 ここへ来るたびにこのアングルで写真を撮っていますね(笑)


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入り口前の地面に「バベルの塔」が この展覧会はこの絵一枚だけのためのものと言っても過言ではありません・・でこの絵を踏みつけて中に入ります

さて この展覧会はボイマンス美術館(Museum Boijmans Van Beuningen)から ネーデルラントの至宝を持ってきましたということですが ネーデルラントとは一体どこだという方がおられる思います 世界史を習った方ならお分かりですが ネーデルラント連邦共和国とかネーデルラント王国とか教科書に出てきてますよね 早い話が今のオランダを中心にした古い地方(オランダ ベルギー ルクセンブルク)の呼び名です フランスでは「フランドル」との呼び名です こちらの方が聞きなれていますよね  で・・ボイマンス美術館も言うまでもなくオランダにあります 
オランダの美術館と言えば アムステルダム国立美術館(RijksmuseumAmsterdam)が有名ですな フェルメールの青衣の女もここからやって来たのを観ましたね しかしながらボイマンス美術館はアムステルダムではなく ロッテルダムにあります・・


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           ヒエロニムス・ボスの肖像  ヘンドリック・ホンディウス1世(版刻) 1600年

でで・・ボスを超えて・・  と言うのは ヒエロニムス・ボス(?〜1515)のことです   


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               快楽の園  1500年頃  プラド美術館 ・・今回 もちろん展示されていません

快楽の園はボスの傑作の一つですが この絵のことを踏まえていないと 今回の・・ボスを超えて・・が何のこと?になります この絵に関しては 昔から絵解きの論争が行われてきました シュルレアリスムのカテゴリーには年代的?に入っていませんが どう見てもシュルレアリスムの走りでしょう そしてこの絵の絵解きをしても無駄です つまり描いた本人もわからない(笑) シュルレアリスム的脳内感情に意味を求めることが既にシュール(的行動)だからです・・ね

さて この展覧会はこのボスの快楽の園に登場している奇妙奇天烈摩訶不思議奇想天外な「もの」に誘発された有名無名の画家たちが描いた絵が展示されています いわゆる ボスの模倣です


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         聖アントニウスの誘惑  ピーテル・ブリューゲル1世(下絵)  1556年 ボイマンス美術館


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          大きな魚は小さな魚を食う  ピーテル・ブリューゲル1世(下絵) 1557年 ボイマンス美術館   


ブリューゲル(?〜1569)もまたしかりで ボスの模倣?でよく似た奇想な絵を描いております 一応 題がついています これらは 版画です ブリューゲルが下絵を描き ピーテル・ファン・デル・ヘイデンが彫版を作成しています ボスを模倣したブリューゲルを含めたこのような 当時の絵師たちの版画は 少なからずを出回り 人々を驚かし 楽しませた  だから画家たちもさらに・・・奇想天外の絵を製作します・・さてこの奇想天外の絵 日本にも来ていたのではないでしょうか・・わかりませんが


で・・肝心のヒエロニムス・ボスの絵がないのかというと 今回 初来日の初公開というのが2枚来ております

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          聖クリストフォロス  ヒエロニムス・ボス  1500年頃  ボイマンス美術館

巨人レプロブスは 向こう岸に渡ろうとして多くの人たちが命を落としてきたある川のほとりに小さな小屋を建てその川を渡ろうとする者に 無償で手助けをしていた  ある日 小柄な少年を向こう岸に連れて行くこととなる 歩むほどに川の水嵩は増し 少年の身体は重くなる やっとのことで川を渡りきると 少年に言う 本当に危ないところであった なぜそれほど重いのか 少年は答える あなたは世界はもとより この世界の創造者をも背負ったからです イエスは祝福し 今後は「キリストを背負ったもの」という意味の「クリストフォロス」と名乗るよう命じる  聖クリストフォロスは 旅人の守護聖人となる 中世後期 聖人の画像を見た者は その日に限り急死するおそれはないと保証されたという・・・ だそうです 私はその解釈に責任は持ちませんが・・・ 



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          放浪者(行商人)  ヒエロニムス・ボス  1500年頃  ボイマンス美術館

放蕩息子という題の方が知れていると思いますが 今回の展示では  放浪者(行商人)となっていましたというか解釈しております 私は責任持ちませんよ(笑) 絵の中の様々の絵解きは 後世のもので ボス自身の思いとは限らないので・・・悪しからず 
さてこの絵は 元々は 三連祭壇画として描かれていましたが 19世紀頃 解体されてしまいました この絵は三連のうち 左と右の扉(表と裏を引きはがす)の裏側の絵を切り詰め(左)繋ぎ合わせたもの 切られた扉の表の左上の「愚者の船」はルーヴル美術館 左下の「快楽と大食の寓意」はイェール大学美術館 右の「守銭奴の死」はナショナル・ギャラリー・オブ・アートへ・・・ 一体誰がしたんでしょうね


さてさて 寄り道はここまで・・・ さっそく・・・

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         ピーテル・ブリューゲル1世の肖像  ヨハネス・ウィーリクス(版刻) 1600年


ブリューゲルのバベルの塔へ行きましょうか・・


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            小 バベルの塔  ピーテル・ブリューゲル1世  1568年  59.9×74.6

思ったよりも小さい画面の中に 塔の壁の質感から造形 1400人の人物 建設機材まで精緻に描かれています・・・と言っても 現物で確認するのは至難の業ですが・・(笑) 仕方がないので 私は単眼鏡を使って観ました 一体どういった絵筆を使って描いたのでしょうね バベルの塔は旧約聖書に出てくる 人間の飽くなき欲望の追求・・それが 人類の進歩と勘違いした人々は その力を誇示しょうと(神の力を借りずに) 大きな塔を建設する どこまでも高く建設出来ると知り 天(神)に触れて 神にとって代わることを望む そしてついにその人間の傲慢さに 神の怒りが落ちる(塔を破壊したとは書いていませんが)・・・創世記11章1〜9節


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    バベルの塔  ピーテル・ブリューゲル1世 1563年  ウィーン美術史美術館  114×155     


ブリューゲルのバベルの塔といえば もう一つ・・・こちらの方が有名です もちろん今回は展示されていませんが 複製画でも展示すべきですね 著作権はもう大丈夫でしょう こちらは 建設途中の塔を描いています この塔の建設を指揮したのはあのノアの孫?のニムロデ王とされています 絵の画面左側に描かれています 

ブリューゲルはこの大きなバベルの塔を描いた後 直ぐに今回展示された小バベルの塔を描いています なぜでしょうかね 建設途中の絵は躍動感があり 画面が明るい 絵としての面白味はこちらの方がありますが ブリューゲルはさらにもう一つ描かねばならなかった それは 今まさに神の鉄槌が下るバベルの塔です 画面には暗く 前兆をあらわす雲行きが描かれています そして先の絵より小さいサイズにしたのは 人類の傲慢のせめてもの ブリューゲル自身の懺悔だったのかもしれない



さて 今回の展示会は ボスの快楽の園の絵(複製画でもいいのではないか)がないので 今一つ ボスを超えての 意味が伝わらなかったのではないかと思いますね しかも ウィーンのバベルの塔(言うまでもなく 旧約聖書には「バベルの塔」という言い方はありません)の複製画もなかった 片手落ちにもほどがある!




会場には 絵の細部がよくわからない人々のために 超特大のデジタル複製画がありましたが・・

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ジグソーパズルをすることをお勧めします(笑) 会場の売店で1000ピースが売っていました 丁度実物と同じ大きさです 私の学生時代の友達の部屋には ウィーンのバベルの塔の特大サイズジグソーパズル(2014ピース?)がありましたね 彼は時々パズルを崩しては組み立てていましたが・・・ 

 
実際にブリューゲルが描いたバベルの塔は どれくらいの大きさ(高さ)なのか
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描かれている 人物などの大きさから推測すると 500mくらいの高さらしい 内部構造がどうなっているかよくわからないが(会場の外に大友克洋の想像画が展示してありました) 柱や鉄筋を使ってないように見えますし 空洞というわけでもなく 絵の上部から推測するに小さな部屋がいくつもあるスポンジ構造みたいですが これだけ大きいと 神の鉄槌を待つまでもなく建物自身の重さで自壊してしまう・・・残念


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      人類は 既にバベルの塔より高い建物を建てています・・・ね 神のご加護のあらんことを




                                                      おしまい




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