「プラド美術館展」にベラスケスを観に行く  兵庫県立美術館

こちら 上方では日頃 気温も涼しくなって過ごしやすくなってきています 街中にはキンモクセイの香りが漂い 遥か遠い青春時代を呼び起こしてくれます みなさんはどうお過ごしでしょうか 北方ではまもなく冬の準備が始まりますね・・

ということで 兵庫県立美術館の「プラド美術館展」に行ってきました
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              「プラド美術館展」 ベラスケスと絵画の栄光  兵庫県立美術館  14日まで



前回 同様 阪神梅田駅から 出発 途中 尼崎で・・
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ミドリ電化(現エディオン)創業者の安保詮が10億円の私財を出して 再建した尼崎城の天守(高さ24m)が145年ぶりに完成していましたので 尼崎駅のホームから・・特急に乗っていたので停車中の僅かな時間で・・・パチリと撮りました この尼崎城は 戦国時代に細川高国(1484~1531)が築城した尼崎城(大物城)とは違い 江戸時代初期に戸田氏鉄(1577?~1655)が築城した尼崎城跡(明治時代に廃城令(1873)で取り壊された)に再建されたのですが 天守の位置が少し違いますね 本来の天守は本丸御殿を囲む堀の北東の角にありましたが 再建されたのは本丸御殿のあった場所ですね 外装は完成したので これから内部を仕上げて 2019年3月29日に一般公開する予定です




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さて 岩屋駅に着いて 県立美術館に向かって歩いていたら 途中 美術館がありました これは迂闊にも前回 気が付かなかった BBプラザ美術館です 

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BBプラザ美術館は株式会社シマブンコーポレーションの本社ビル内に2009年に開館した いわゆる 企業運営の美術館です 現在は休館中ということです 

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11月17日から「コレクション展Ⅱ 「明治から平成にみる コレクションのかたち」を開催するらしいです




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ということで 寄り道しながらも 県立美術館が見えてきました なんだ あのカエルは・・・


で カエルは無視して 相変わらず 薄暗い通路を通り 展示会場へ・・・
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さて 兵庫県立美術館へは 今年の1月に大エルミタージュ美術館展へ行きました プラド美術館展は 12年前に大阪市立美術館に行きました プラド美術館も他の美術館同様 2002年に日本で初めて展覧会(国立西洋美術館)を行ってから 定期的?に日本に出稼ぎに来ているわけですね 前回の大阪市立美術館の時は ベラスケスの作品は5点でしたが今回は 日本初公開を含む7点です 現存する ベラスケスの作品は 120点ほど そのうち40数点をプラド美術館は所蔵しています 今年は日本とスペイン外交関係樹立150周年ということで ベラスケス大盤振る舞いじゃ~ということです・・ね


で その7点を一挙公開します
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                          メニッポス 1638年頃

メニッポスは紀元前3世紀のギリシャの哲学者?です ベラスケスによる《メニッポス》は、古代の偉大な哲学者には似つかわしくない 市井の貧しい一老人のように描かれています 当時 知識とりわけ古典古代の哲学や思想は 貧困と分かちがたく結びつけられて表象され 理想化されることなく徹底したリアリズムで描かれていました いつの時代でも知識人は非生産者ですからね 知識人(似非)が金満家というのは 現代のことですか・・・




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                          マルス  1638年頃

ベラスケスは 戦いの神であるマルスを力強く勇敢な勝利の兵士としてではなく 頬杖をつき疲れた表情をしてベッドの端に腰かける中年男性として描きました 神様だっていつまでも戦っていたら疲れるだろうよ この絵を観た当時の人たちはリアル状態な神様をどう思ったでしょうね 




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                      バリェーカスの少年 1635-45年

「バリェーカスの少年」として知られる本作の像主は 本名をフランシスコ・レスカーノと言い 王太子バルタサール・カルロスの遊び相手として宮廷に暮らした矮人でした ここでベラスケスは堅苦しい王候の肖像画のしきたりから解放され構図や人物のポーズ、表情などにおいて先例のない新たな試みを行っています 短い脚や大きな頭部といった特徴を大ぶりの筆致で包み隠すことなく表しながら それでいて像主には国王や貴族と何ら変わらぬ、一人の人間としての尊厳が与えられているのです 




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             フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像   1635年頃

モンタニェース(1568~1649)は 当時の有名な彫刻家です 宮廷での同僚?を描いています 制作中の彫刻が フェリペ4世ですね これは描かれている当人が 描いている方を向いている 何か作業をしている人にカメラを向けると 普通 手を止めて 何だとこちらに顔を向けますね これもリアルです そうじゃなくて作業を続けているとしたら やらせ?ですよね・・




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                     東方三博士の礼拝 1619年

聖書のキリスト誕生の時に 星に導かれて東方から来た三博士を描いています これは ベラスケスが20歳の時に描かれたものです 登場人物が具体的なモデルに基づいて描かれていることは明らかで 長年の伝承によれば、聖母マリアは前年に結婚した妻フアナ 幼子イエスはこの年に生まれたばかりの長女フランシスカ 三博士のうち手前にひざまずくメルキオールが画家本人 その背後の横顔の老人カスパールが師匠にして岳父パチェーコであるとされます これを20歳で描いたのですね 実際に実物を観ると凄いの一言です 



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                    狩猟服姿のフェリペ4世  1632-34年      

ベラスケスの主君であり 稀代の美術コレクターとしてスペイン王室に膨大な絵画コレクションを築いたフェリペ4世(1605~1665) トーレ・デ・ラ・パラーダの「王のギャラリー」を飾っていたこの肖像では その場にふさわしく狩猟服を身に付け 猟銃を持ち、猟犬を従えて戸外に立つ姿で表されています 狩猟は単に王族の嗜みであっただけでなく 戦争のための訓練でもあり その腕前は統治者の軍事的責務と力量を示すものでもありました トーレ・デ・ラ・パラーダとは マドリードの北方郊外の狩猟地に フェリペ2世の命により建設された狩猟休憩塔で フェリペ4世はさらに大幅な増改築を繰り返して 1638年頃に完成 その内部に173点の絵画(ベラスケスの作品は10点)が飾られた  この作品は大きいのでフェリペ4世はほぼ実物大で描かれているんじゃないかな・・



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               王太子バルタサール・カルロス騎馬像  1635年頃

バルタサール・カルロス(1629~1646)はフェリペ4世の長男として生まれ 広大なスペイン帝国の王位後継者として国中の期待を一身に背負って育てられました 5・6歳の王太子は落ち着き払って指揮棒を掲げ 凛々しく馬の両前脚を高く上げて王国の未来の確かさと明るさを強調しています しかし王太子は王位を継ぐことなく、16歳で早逝しました 背景の風景はマドリード郊外のグアダラマ山脈を描いたもので、それを描き出す流麗でよどみのない色彩 そして写実性は本作にスペイン風景画史における傑出した地位を与えています この作品は写実的に描かれていますが 子供と馬の大きさが・・構図的にはあり得ないですね・・王太子の騎乗ですから 気を遣ったのかな・・



さて 今回 ベラスケス以外にも注目すべき作品があります

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          聖アンナのいる聖家族   ペーテル・パウル・ルーベンス  1630年頃

この作品は17世紀半ば、宮廷画家で宮殿装飾の責任者でもあったベラスケスによって、エル・エスコリアル修道院の参事会室を飾るために選ばれた作品の1点で、以後19世紀まで同修道院に置かれていました ベラスケスとルーベンスは同時代の画家です ルーベンスは22歳年上です 2人は1628年にマドリードの王宮で出会い親交します 翌年 2人でイタリア旅行を計画しますが ルーベンスの都合でベラスケスだけでイタリアへ行きます もし 2人でイタリアに行っていればどんな作品が生まれていたか・・


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 視覚と嗅覚 ヤン・ブリューゲル(父) ヘンドリク・ファン・バーレン ヘラルト・セーヘルス共同作品  1620年頃

         
人間の持つ五感を2枚のカンヴァスに分けて表現したもので  テーブルの傍らで座って鏡を覗き込む女性が視覚を、花の匂いを嗅ぐ女性が嗅覚を表し 宮殿のような室内は数多くの絵画や花々で埋め尽くされています 花や風景を得意としたフランドル人画家ヤン・ブリューゲルの監督の下 人物や画中画を他の専門画家と共作したものと考えられます ヤン・ブリューゲル(父1568~1625)は あのバベルの塔のピーテル(?~1569)の息子です ややこしいですがヤンの息子のヤン(1601~1678)も画家です あと残りの聴覚・味覚・触覚が作品のどこに描かれているのか 探してみてください

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                    聖ベルナルドゥスと聖母  アロンソ・カーノ 1657~60年頃

いやぁ~ これには衝撃を受けましたね 聖ベルナルドゥス(1090~1153)というのは フランスの神学者で聖人でもある実在の人物ですが ある日 ベルナルドゥスが聖堂のマリア像の前で 「あなたの母たることをお示しください」と祈りを捧げていると マリア像が動いて乳を聖人の唇に滴らせたという伝説をもとネタにした絵画ですが アロンソ・カーノ(1601~1661)・・こういう発想(ギャグ)…やりましたね いや ギャグじゃないと思いますが・・ なんとお乳が飛んでます しかも聖人ベルナルドゥスは平然と口を開けて受けていますね(笑) 


今回の展覧会ですが さすがに普通の庶民の家やそこら辺りの貴族の邸宅に飾れるような絵画じゃありませんね とにかくでかい絵画が多いです 「巨大な男性頭部」という絵画なんて246×205㎝もあります ズバリ宮殿の玄関の魔除けに最適です(笑)  その他出品作品の中には 近世の科学的?精緻な森羅万象博物学の図鑑絵画に通じるものがあるように思いましたが みなさんはどうでしょう・・




さて 大阪駅で帰りの電車を待っていたら 家人から 阪神でイカ焼き買ってきなさいという指令を受けましたので
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                   トホホ大阪駅から 阪神百貨店へ

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                     近くで観上げると・・圧迫されます(笑)

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               阪神の中に入って 地下のスナックパークへ

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ぎょええ~  大人気の阪神名物イカ焼き・・・ 長いおば様たちの行列ができていました  残念ながら 私はここで 行列に並びますので これで おわりにしたい思います それでは  みなさんさようなら