国宝 北野天神縁起絵巻を観に行く 京都文化博物館

こちら 上方ではこの冬は厳しい寒波などなく おいおいこのまま春になんのかよ・・という日々が続いていました みなさんの地方はどうでしょうかね 梅は咲きましたか 桜はまだですか・・・ さて ここ数日 天王寺のフェルメールか 京都の天神かどちらを先に観に行こうかと思案しておりました・・・・(笑)  


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               北野天満宮 信仰と名宝 天神さんの源流   京都文化博物館 4月14日まで 



北野天神絵巻の第6巻の展示が 前期ということなのでとりあえず 京都の方を先に 天王寺は桜が咲くころにしましょう

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前回の京都文化博物館は 戦国時代展  以来です あの時は今頃の季節でとても寒かったが 今日は穏やか気候で鴨川の水も緩んでいるようです




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                      いつもの三条通を 歩いて・・




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                          エレベーターで3階へ





今回の展覧会は・・ 「天神さん」「天神さま」として親しまれている菅原道真(845~903)を祀る 北野天満宮は全国で1万数千社の天神社(道真公を祀る神社)の総本社です 天神信仰に関する展覧会はこれまでにも行われてきましたが 北野天満宮そのものを取り上げたものは多くありません 北野天満宮が培った長い歴史は 人々の崇敬の歴史といえるでしょう 時代ごとのさまざまな願いを反映し 北野天満宮には複雑・多様な信仰世界が構築されました  そこで北野天満宮が所蔵する神宝を中心に ゆかりある美術工芸品 歴史資料を一堂に集め そこから浮かび上がる神社とその信仰のあり方を展観いたします・・という事です

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                      束帯天神像(根本御影) 13世紀




   
北野天満宮については 10年ほど前に 木造鬼神像初公開の時に行きましたね 北野天満宮と天神様についても 考察しておりますので そちらを見てください 


で・・これまで 観る機会をことごとく外して来た 国宝北野天神絵巻 それの クライマックスとも言える 第6巻をやっと鑑賞できました というか これを観るということが目的でした・・・



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                 北野天神縁起絵巻(承久本) 第六巻   国宝

北野天満宮の宝物庫でデジタル複製画を観ていたので 絵巻が大きいというのはわかっていましたが 本物も大きい・・当たり前です(笑) 通常 絵巻を作成する和紙を横ではなく縦で繋ぎ大きな紙面にしています まあこの方が迫力がありますがなぜなのかわかりません さて この北野天神縁起絵巻は非常に有名であるのに謎の多い絵巻物です まず 制作年代がわかりません 承久本と但し書きがありますが これも絵巻の最初の詞書に「承久元年己卯(1219) 今にいたるまで」の句があるので承久本と呼ばれているだけです 作者についても 北野天満宮には藤原信実(1176?~1265?)と伝わっているが確証がなく 少なくとも詞書の筆跡は複数の人物によるものとされています(詞書の形式は建久(1194)まで遡る) 今のところこの絵巻(承久本)は現存する多数の「北野天神縁起絵巻」のうちの最古作?であり 「根本縁起」とも言われていますが しかしこの承久本をもとにした同様の絵巻は確認されておらず 独立した存在である まことに不思議な絵巻物です しかも 元々この絵巻物は完成品ではありません 第1巻から第6巻までが道真の幼少期から 怨霊となるまでの生涯 第7巻と8巻はまったく詞書がなく日蔵上人が鬼神と六道巡りをするところで終わり 第9巻は残されていた白描の下絵の断簡を繋いで明治時代に仕立てられたもので 北野天満宮の創建が語られていない これが 北野天満宮縁起ではなく北野天神縁起と言われる所以です さらにこの絵巻 最初から北野天満宮に奉納されていたのかどうかも怪しい・・ 各巻末には京都曼殊院の良恕法親王による慶長4年(1599)の奥書があり それによれば承久本はそれまで所在が不明であったが北野天神目代の照世が念仏寺(大坂堺市)において発見し? 文禄5年(1596)に堺代官石田正澄を介して北野天満宮に奉納されたという・・ 誰が いつ 誰のために 制作したのか意図がわからない まことに謎の国宝絵巻です 

さてさて 第6巻に登場する 道真の分身である雷神(俵屋宗達の風神雷神図の元ネタ?)ですが かなりユニークな顔立ちをしています 私はガラスケースの上から穴が開くほどにらめっこしましたが あまり恐ろしくはありませんでした(笑) かつて 道真をいじめた都の上級貴族を恐れさせた雷神も鎌倉時代までには 天神さまとして信仰の対象に変わってきていますから そんなに恐ろしくは描けなかったのでしょうかね・・ この国宝 北野天神縁起絵巻 地元京都以外での一般公開が少ないですが 機会があれば是非 本物を見てください







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京都を紹介するガイド本・・いわゆる京都本と呼ばれるものが多く出回っております そのほとんどが名所旧跡を肴にグルメ情報や洒落た店の紹介ですね  大東亜戦争でほとんど空襲を受けずに 戦前の街が無傷で残っていた京都でしたが あれをあれをという間に 日本人自らの手で古き良き京都の街並みを破壊し始めました このままでは 「京都」がなくなると思った私は 今から40年ほど昔の京都時代(京都に関係していた頃のこと)に 京都各所に在住の知人 友人更にその友人 知人に頼み込み その家に2~7日間 泊り歩きました 一般庶民の家に泊まりその地域の生活を体験したかったのです 祇園祭や五山の送り火で賑わう街の一歩中に入った小路の静けさや家々の玄関のぼんやりとした提灯 年の暮れの新年のための準備 町内会の寄り合いにも顔出したりしました ふと見つける小路の隅にある小さな地蔵や石碑で その場所の千年の歴史が立ち上がってきました その頃は 古い街並みに溶け込むように目立たず 様々な店舗がありました 定食屋 うどん屋 団子屋・・老舗やグルメとは無関係の後継者もいない年配の夫婦でやっている店が多かったですね 結構美味しかったりしました 京都を知り得たとは思いませんが あの3年間は今はなき古き良き京都体験をさせて頂いたと思います  




                                                  おしまい